
保険 相談の実態
ストック勘定の補助科目として,銀行預金の銀行別勘定,売掛金の得意先別勘定,貸付金の貸付先別勘定,有形固定資産の建物・車両・備品など,買掛金の仕入先別勘定,借入金の借入先別勘定などがあります。
フロー勘定では,売上高の商製品別売上高,受取利息の預金種類別勘定,雑費の消費税課税・非課税区分などがあります。
資金管理や売掛金の回収業務を経理部門がおこなっている場合には,銀行別あるいは得意先別の補助科目と補助元帳を設けることになります。
しかし,企業規模の拡大にともない,資金管理は財務部門で,売掛金の回収業務は営業管理部門でになうことになれば,補助元帳に相当する管理簿はそれぞれの部門が作成保管します。
経理部門としては,各部門から日次ないし月次単位での合計仕訳を得られれば事足りることになります。
補助科目は財務部門や営業管理部門の管轄となり,統括勘定は経理部門の管轄と分担されます。
この場合でも,各部門の管理簿は経理部門にとっては実質的な補助元帳に相当しますので,設定された補助科目の体系や補助元帳の保管については経理部門は承知しておくことが大切です。
会社の勘定科目を具体的にどのように設定するのかは,会社の業種・業態・規模,さらに織り込みたい業務上の要請や管理会計的な目的によって千差万別といえます。
ここでは,・ストック勘定とフロー勘定の関係, ・総額表示科目, ・統括勘定と補助科目の関係を踏まえ,かつ情報システムによる処理も考慮して,勘定科目の一般的な体系を検討してみます。
・ストック勘定とフロー勘定 財務諸表の表示方法に準じるのが勘定科目体系の基本となります。
ストック勘定である貸借対照表関係の勘定科目を最初に,次にフロー勘定である損益計算書関係の勘定科目をもってきます。
また勘定科目コードもその順序に設定するのが一般的です。
どのフロー勘定をどの勘定に振戻すのか間違えないようにします。
製造原価明細書関係のフロー勘定は売上原価勘定に振戻します。
損益計算書関係のフロー勘定は未処分損益勘定に振戻します。
前期の利益処分計算書の次期繰越利益も未処分損益勘定に振戻します。
情報システム化の業務設計の際には,この振戻先についてよく確認するようにします。
・総額表示科目 総額表示科目を設定した場合には,それらが試算表や財務諸表のどの位置に表示されるかに配慮します。
たとえば,貸倒引当金繰入額と貸倒引当金戻入額とはおなじ計算区分に配したほうがわかりやすくなります。
総額表示科目についてレ特別のコードを設定したり,それらの対応関係をシステムに織り込むことはありません。
・統括勘定と補助科目 統括勘定と補助科目は,補助科目のための補助コード用の桁数を追加することで対応します。
たとえば,統括勘定用に上4桁,補助科目用に下3桁の合計7桁の勘定科目コードを用意します。
統括勘定と補助科目とのシステム処理は,関係する勘定どうしの上4桁が同一であることによって名寄せします。
たとえば,当座預金勘定・日本工業規格による体系 勘定科目コードとして世の中に流布しているものとして,日本工業規格(JIS)の勘定科目コードがあります。
JIS規格のコード体系を一覧して気づくことは,実務的な勘定科目の必要設定数よりは観念的な分類を優先していることです。
繰延資産に3000番台を,法令上の引当金に6000番台を,特別損益などに9000番台をあたえているのに対して,勘定秤目数が一番多くなる販売費及び一般管理費や製造原価は営業外損益科目とともに8000番台に納められています。
・勘定科目コードの設定例 勘定科目コードは,情報システム内の処理構造とも密接に関係しているため,これだけを単独に論じることは不可能ですが,参考までに実務的な勘定科目の設定必要数を考慮したコード体系を例示します。
最初にストック勘定を配し,その後にフロー勘定が続くようにします。
流動資産には1000番台を,固定資産には2000番台を与えます。
繰延資産の勘定科目数は少ないため固定資産とともに2000番台に納めます。
資本にかんする勘定科目も少ないため流動負債や固定負債とともに3000番台に持分関係としてまとめます。
4000番台には本支店勘定や対照勘定を置くとともに,ストンク勘定の予備番号として余裕をもたせます。
売上高・売上原価・製造原価関係は5000番台とします。
特に製造原価では原材料費・労務費・経費などと多くの勘定科目が設定されることに配慮します。
販売費及び一般管理費も科目数が多くなるため6000番台を与えます。
その他の損益計算書はまとめて7000番台で処理します。
8000番台は収支勘定のようなフロー勘定を使用するのに備えた予備番号とします。
さらに9000番台には中間勘定のような特殊な使い方をする勘定科目のための空番としておきます。
・複式の意味は 複式簿記の「複式」の意味は一つの事象を二面から観察し表記することです。
この二面とは資産と持分の両面です。
「資産」とは,会社に投下された経済価値の具体的な存在形態であり,勘定科目としては現金預金・棚卸資産などの流動資産や建物・什器備品などの固定資産が該当します。
「持分」とは,同じく会社に投下された経済価値をその取得関係または源泉形態から観察したものであり,負債と資本に大別されます。
負債は支払手形・買掛金などの流動負債と社債・長期借入金などの固定負債に分けられます。
資本は資本金・法定準備金・剰余金などの勘定科目から構成されます。
・会計仕訳の基本パターン 会計仕訳をおこなう際には,一つの会計事実を資産と持分という両面から観察し表記していることを忘れないようにします。
典型的な仝計仕訳例にもとづいて,どのように両面から観察しているのかを確認します。
複合的な仕訳もこれらの基本的なパターンに分解できます。
これらの会計仕訳例をながめて気づくのは,左右あるいは上下で隣接している2つの欄に仕訳が記入されており,他の2つの欄は空白となっていることです。
つまり,「資産の増加と持分の減少」あるいは「資産の減少と持分の増加」という組み合わせの会計仕訳はないということです。
複式簿記における会計仕訳の巧妙な点は,資産の増加と負債の減少は借方に,逆に負債の増加と資産の減少は貸方に表記するという記入作法によって,4つの欄を用意しなければならないのを,貸借の2欄で済ませていることです。
さらに普段は特に資産と持分の両面観察を意識しないで会計仕訳しても,結果として「資産の増加と持分の減少」あるいは「資産の減少と持分の増加」というあり得ない会計仕訳が生成されることを防ぐ具合になっており,先人の智恵を感じさせます。
複式簿記の機能が優れていることは,これに代わるものが出ていないことからもわかります。
とはいえ複式簿記が万全の機能を有しているわけではなく,様々な経理的要求に対して本来の処理構造では対応しきれていない点もあります。
以下では複式簿記の限界的領域として4例をとりあげながら複式簿記の機能を吟味したいと思います。
・複式簿記の機能を有効に活用している例として,偶発債務への対応をとりあげます。
・勘定科目の設定でできるかぎり対応し,対応しきれない分を摘要欄などで補足している例として,税額計算への対応があります。
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